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【小説】第4話 バッファロンのステーキ【喫茶リリの日常】


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「こんにちは」

 突如お店のドアが開いて、ガタイの大きい男が現れた
 
 様子からして、オーガ族の男性のようだ。

 「はいはーい、ただいま」

 喫茶店の中を掃除していた私は、その影を見て玄関のほうへ向かった。

 そこにいたのは・・・。

 「あれれ、ニスロックさんじゃないですか。どうしたんですの?」

 珍しい訪問客に私はビックリしたのだ。

 「いえ、ステージの準備でこちらのほうに用事がありまして。」

 ニスロックさんは主にステージを使ってイベントをやるお仕事をしている。
 
 今回も、そのステージに使うものを調達している最中のようだった。

 「あぁ、なるほど。今度はどんなステージをやりますの?」

 「唄パフォですね。」

 私の問いに、すかさずニスロックさんは答えた。

 唄パフォというのは曲に合わせて歌い踊る表現をする芸能の一つで発端は旅芸人や踊り子たちがやっているものが

 一般人にも伝わり、今ではアストルティア最大の娯楽の一つとなっていた。

 「ふぅん、唄パフォかぁ。でこんどはどんな感じになるの?参加者は?」

 「そうですね、まふゆさんやあまぎゆきこさん等有名な方々が多数でますよ。もちろん私も歌います。」

 おぉ、彼女たちも出るのね。

 これは、結構大がかりなイベントになりそうね。

 「へぇ、それはおもしろそうですねぇ。」

 「是非、来てみてください。アストルティアの唄姫もでますから」

 「なるほど、彼女もでるのね。」

 彼女も出るのなら、なおさら行かないわけにはいかないわね。

 私は、スケジュール表を確認し開催日に丸をする。

 「準備、大変そうねぇ。」

 大物歌手がたくさん出るのならそれなりの準備は必要。

 その準備は大掛かりなものだと私は思った。

 「えぇ、でもやりがいはありますよ」

 にこやかに笑うニスロックさんを見た私は応援したくなる。

 ならば。

 「そう、ならここでご飯食べてく?もうすぐお昼時だし。」

 と、私は提案した。

 「そうですね、では精の付くようなのをお願いします。」

 「オッケー、そこでまっててね。」

 テーブルに座っているニスロックさんを後にした私は調理場に向かう。

 「さてと・・・」

 調理場に立った私は、精のつく料理が何がいいかを考えた。

 ガタイの大きいオーガ族、となればその源は肉!

 ふと、この前仕入れてきたあの大きな肉を思い出した。

 「あれでいこうかな。」
 
 私は、冷蔵庫から大きな一塊のお肉を取り出した。

 見た目は牛肉、でも実際は別のもの。

 そう、バッファロンのお肉だ!!

 バッファロンのお肉は全身筋肉であり、筋が固めである。

 普通ならその場ではまず食べることが難しい。

 何しろ、硬いから噛み切れないのだ。

 そのお肉を4cmほどの厚さに切っていく。

 切ったお肉の表面に薄い切込みを何度も入れ、そして南国フルーツの果汁の中にしばし漬け込んだ。
 
 その間に、ソースづくり。

 ごくうまソース、デリシャスオイル、ワイン、少々の香草を入れてこちらは煮詰めていった。

 
 ソース作りが終わったら、今度はお肉。

 わたしは、たっぷり漬け込んでいたお肉を取り出した。

 筋切り、果汁に漬け込むことによってお肉が柔らかくなっている。

 そんなお肉を、フライパンでじっくりと焼いていく。

 途中、ワインを振りかざし炎を出しながらゆっくり焼いていく

 こうしていくと、表面はこんがり焼けて中は柔らかいままになるのだ。

 もちろん、芯まで熱が通っているから生というわけではない。

 焼きあがったお肉をお皿に載せ、軽く塩コショウを振る。

 そして、プレートにそのお肉とソース、そしてサラダ、ライス、バッファロンの骨からぐつぐつ煮込んで作ったスープを置いて。

 「はい、召し上がれ。」

 出来た料理を、ニスロックさんの座っている席に置いた。

 「おぉ、これは美味しそうですね。」

 ほのかにお肉から出ている湯気、匂いを待っとってニスロックさんの鼻を刺激している。

 「でしょう、バッファロンのステーキよ。」

 「なるほど、あのバッファロンですか。にわかには信じがたいですが目の前のお肉は美味しそうです。」

 ニスロックさんはビックリしたのか少し戸惑った。
 
 しかし、すぐにお肉にナイフで切り込んでフォークで口に入れた。
 

 「うん、美味しいですね。硬いと思われていたバッファロンのお肉がこんなに柔らかくなるとは」

 よほど美味しかったのか、お肉をバクバク食べている。

 「先人の知恵とうのがあってね。南国フルーツを使うとお肉って柔らかくなるのよ。」

 私は、手に持っていたパインアップルというフルーツを見せて説明した。

 「そうだったんですか。素晴らしいです。」

 とニスロックさんは肉をほおばりながら感心していた。

 「ごちそうさまでした」

 2kgあったはずのお肉が全部平らげていた。
 
 さすが、オーガ族の男性だ。

 私じゃこれもたれる・・・。
 
 「いえいえ、おそまつさまでした。」

 と言いながら、私は皿を引き上げていた。

 「是非、私のイベントに来てください。」

 「そうね、面白そうだし伺わせてもらうわ」

 そういいながら、私はニスロックさんからチケットを受け取った。
 
 これは、すごく楽しみになりそうなステージだ。

 「おまちしております、今度はリリさんもステージに上がってください。」

 「えっ?」

 なんですとっ?

 私の額から冷や汗がにじみ出ていた。

 「知ってるんですよ、実はパフォーマンスをこっそりと練習しているのを」

 にょぉぉぉぉ!!
 

 「だ、誰から聞いたのよ!」

 私は頭の中がパニックになっていた。

 「それは、内緒です。」

 いたずらっぽく笑うニスロックさん

 くっ、驚かそうと思って隠れてやってたのに。

 いったい誰が!!

 「そ、そのうちね。まだ完全じゃないから・・・。」

 まだ人様に披露できないレベルなので私はそうごまかした。

 「お待ちしております」

 そう言いながら一礼をして、彼は喫茶店を後にした。

 はぁ、さっきの言葉は次のステージまでには完成させてねということかしら。

 うーん、ちょっと本腰あげて練習しようかなぁ。
 
 
 喫茶店が終わった夜、私は喫茶店の二階の広間でダンスの練習をしていたのであった。