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【ネタバレ物語】大剣の錆【No.025 猛き闘士の結晶】


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 ガートランドに訪れていた私は、姉に手紙を出すために郵便局に寄りました。

 土壁色の建物の中に入ると、そこには色んな便箋が売られていて、数ある中の便せんから私はいつも使っている便箋を選び。

 「すみません、この便箋を下さい」

 私は苺柄の便せんを店員さんに手渡しました。

 

 「はい、10Gになります。」

 私は10Gをお支払いし、苺柄の便せんを受け取って帰ろうとした時でした。

 いきなり、店員から呼び止められました。

 なにやら、お願いがあるということみたいだけども。

 「お願いってなんでしょうか?」

 私は店員に尋ねると。

 「申し遅れました、私イチハって申します。見ての通り郵便局の店員です。」

  イチハさんはご丁寧に自己紹介をすると。

 

 「お客様、剣岩って知ってますか?」

 と私に問いかけてきました。

 ガートラント城下町から西の地方にあるオルセコ地方。

 そこの中心地にそんな名前の岩があることを思い出した私は。

 「そういえば、そんな名前の岩がオルセコの所にありましたわね。」

 

  頭の中の地図を照らし合わせて私は答えると。

  「そうそこです。」

 どうやら合っていたようです。

 「そんな場所にいったい何があるのかしら

 私が訪ねるとイチハさんは

 「そこに奉納されている剣から取れる巨大剣の錆が欲しいのですが、もしよかったら取ってきていただけませんか?」

  イチハさんは真剣な目で私の目を見ていました。

  

 錆なんて、何に使うのでしょうか。

 私はつい気になって。

 「それはいいけど、何に使うのか聞いてもよろしくて?」

 とイチハさんに尋ねました。

 

 「えぇ、その錆を突かってガートランドの新しい名物便箋を作りたいと思いまして。」

 

 「錆を原料に!?」

 

 どういうことかしら。

 錆を使って手紙を作るのってどんな感じになるのかしら。

 そんな疑問にも持ったのが顔に出ていたのか、イチハさんは答え始め・・・。

 

 「えぇ、その錆はいい感じの濃い赤茶色を表現することができることが分かりました。

 私のイメージしている便箋にはぴったりだと思うんです。

 お願いします、是非持ってきてはくれませんでしょうか?

 もちろん、出来上がった便箋はお譲りします!」

 再び真剣なまなざしで私を見ていたイチハさんの気迫に感銘を受けてしまった私は。

 

 「いいわ、私に任せて下さい。」

 どんと、大船に乗ったかのように引き受けてしまった。

 

 「本当ですか!!

 ありがとうございます。」

 

 笑顔のイチハさんを後に私はオルセコ高地に向かった。

 

 ドルボードで30分

 中央にある剣岩についた私は、地面にたくさん刺さった剣を見渡すと、その中にあるひときわ立派な剣を見つけました。

 私はそこについている錆を削り取り。

 これでいいのかしら・・・・。

 袋いっぱいぐらいの錆を削り取った私は、イチハさんの所に戻っていきました。

 

 郵便局に戻った私を見つけた彼女は、

 「あ、お客様!

 ひょっとして、お願いしたものを持ってきてくれたんですか?」

 

 「えぇ、これでいいのかしら。」

 私は、イチハさんに錆の入った袋を渡すと。

 「わぁっ、ありがとうございます!

 さっそくこの巨大剣の錆を混ぜ込んだ新しい便箋を作ってみますね。」

  錆が入った袋を見て目を輝かせながら

 「では、作ってきますので、少し待っててくださいね。」

  彼女は奥の部屋に引っ込んで行ってしまいました。

 

 2刻ほど過ぎただろうか、部屋の奥から「できたー」と声がしたと思いきや、どたばたとした音を立てながらイチハさんはカウンターの所に戻ってくると、その手には一つの便せんを持っていました。

 

 「ふふっ、すごいです!

 最高傑作です!

 はい、どうぞ。

 ガートラント城限定品ご当地便箋出来ましたっ!」

 と、その錆色の便制を私に手渡してくれました。

 

  「あら、いい感じな便箋ね。

 たしかに、ガートランドに相応しい無骨な感じが素敵だわ」

 錆色の便せんをまじまじ見ながら私は答えると。 

 「でしょー♪

 あ、失礼しました。」

  興奮していたのにハッと気づいたのか、イチハさんはごほんと咳をし落ち着いた表情で便箋の想いを語り始め、 

 「剣岩は、はるか昔古代オルセコ闘技場で勇猛に戦って命を落とした闘志達が祀られているんです。

  なので、あそこの場所に奉納された剣には、闘士たちの熱い闘争心が宿ていると信じられてるそうですよ。」

 

 「へぇ」

  オーガの歴史は戦いの歴史と聞いたことはあったけども、改めて聞くと昔はいったいどんな世界だったのか想像がつかいませんねぇ。

 

 「そういうわけか、勝利を祈願して巨大剣を磨いてお守りとして錆を持ち帰る人も多いとか。

 この便箋もそういう人に受けると思うんです。」

 笑顔で語るイチハさんの表情はとても満足そうな笑みをしてました。

 私も、この便箋で誰かに手紙を出してみようかしら。

 そう思いながら私は郵便局を後にしました。